11月

「筋子や身欠きニシンは、どう料理に使っていいかわからない」という人が多く、敬遠しがちな食材です。筋子はイクラとして、身欠きニシンは昆布巻きや煮物に入っていたりと食卓の上では、馴染みのある人もいるのでは?今回は、そんな声にもお答えして、とっても簡単で美味しく栄養もたくさん詰まったレシピをご紹介します。
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鮭のお腹から卵巣をそのままの状態で取り出したものが筋子、それをバラバラにほぐしたものがイクラです。その昔、筋子はすでに平安朝時代の上流社会で珍重されており、塩漬けにして食されていた記録が、江戸時代の食材をまとめた「本朝食鑑」にも残されています。一般に、筋子は卵巣ごと塩蔵にしたものが主流ですが、醤油や粕漬けにしても美味です。魚卵特有のタンパク質やビタミンの他、DHAやEPAも豊富に含まれています。またシスチンという髪に良い成分も含まれた、栄養満点の食材です。
福井では、煮物や昆布巻の隠れた名脇役として、昔から馴染み深い身欠きニシン。近年では「幻の魚」とさえ呼ばれるほど激減し、主にカナダやロシア、ノルウェーなどから冷凍輸入しています。その昔、大阪に向かう北前船が若狭湾に立ち寄って身欠きニシンを荷揚げし、京都に運び入れたといいます。これを使った名物料理が「にしん蕎麦」です。ニシンは干すことでより甘みや旨みが増し、特に煮物には最適の食材。アミノ酸やビタミンも豊富で、身はやわらかく独特の脂臭さがクセになる味わいです。
